ASP ローマングラスビーズ・フェニキアビーズ・戦国玉・カーネリアンエッチドビーズ・アイビーズ
”アンティークジュエリー”アンティークジュエリーを中心に小さなアンティークビーズから古代ガラス、ロシアイコン、古代美術品のオンラインショップgallery orion
古代とんぼ玉.の楽しみ方space.gif page12.3.
1.古代とんぼ玉

紀元前からローマ時代にかけての最高の宝飾品はグラスビーズ、とんぼ玉でした。
石器時代から抜け出して人類は初めて自分の力で美しい色や形の製品で身を飾ることに成功したのです。

ガラス原料としての珪砂、ソーダ灰、石灰の混合比率も秘密で、ごく一部の工人達しかガラスを作り得ませんでした。
この原料を溶かすためには摂氏1300〜1400度の高温が必要です。モーターもブロアーも無い時代にどうやってこの高温を作り出し厳密な化学的定量調合をしたのかよく判っていません。
beads


beads


いずれにせよ、綺麗なとんぼ玉を作るのには我々の想像を絶する困難を乗り越える工夫と努力が必要だったはずです。
現代ではガラスとは安価な物の代名詞みたいになっていますが古代では最高の宝物だったのです。
古代人は災難から身を守るためのお守りとして、また身を飾るためにこのとんぼ玉をとても欲しがりました。
とんぼ玉は交易用の商品としても力を発揮しました。このためにとんぼ玉を製造する工人達は、より美しくより魅力的なデザインの玉を作り出すため彼等の知恵と美意識を最高に発揮したことでしょう。

このような懸命な思いと美的感覚と熟練の技で一つ一つ作られた手作りの玉が我々を限り無く魅了するのです。


こうして作られた玉をよく見ると形も紐通し穴も色や模様も一つづつ違って手作りの温かみが感じられます。大量生産されたグラスビーズはピカッと光って一見きれいですが、味とか個性がありません。また、古代とんぼ玉は二千年近くの気の遠くなるような時の経過のために古色をまとってやわらかな穏やかな感じになっています。(これを経年変化とよびます)

次に、とんぼ玉がどのように手のこんだ方法で作られているのかを見て行きましょう。

beads


古代とんぼ玉の作り方

beads

beads

beads
巻糸文

古代のとんぼ玉のほとんどが芯巻という方法で作られています。これは金属の丸棒に、まず粘土を付けこの上に溶かしたガラスをぐるぐると巻き付けて無地のビーズを作ります。これを私はベースビーズと呼びます。このベースビーズの上に別に用意した色ガラスを水飴を垂らすようにぐるぐると糸状に巻いて行きます。これを私は分かりやすく巻糸文と呼んでいます。巻糸文の技法は古代とんぼ玉の羽状文や波状文を製作する基本的な技法です。

羽状文

巻糸技法でベースビーズに他の色ガラスを巻き付けてまだ軟らかいうちに先端の尖った金属の細棒でこの縞模様を引っ掻くと変化のある羽状文になります。


左の写真は黒のベースビーズを作り、その上に白の羽状文を作った上にさらに赤色を左右に一本づつ巻き付けて三工程もかけて変化を出しています。
普通、巻糸文は連続して溶融ガラスをベースビーズに巻いて縞模様を作ります。この赤色の一本の線を作るためには、ちょうど一周した所でパッと溶融ガラスの先端を離さないと横にはみ出たりデザインが乱れます。
何でもないようですが、一本の巻糸文をキチンと描き出すのには相当の熟練が必要です。


戻る
NEXT

お問い合わせ.ご注文
http://www.g-orion.com
お電話でご注文・お問合せはTEL:03-3960-8115へ!